◇住宅宿泊事業法(民泊新法)の概要●基本的考え方民泊については、住宅宿泊事業法では①住宅宿泊事業者・住宅宿泊管理業者及び住宅宿泊仲介業者が密接な連携を図り安全で安心な宿泊環境を提供する。②住宅宿泊事業は届出制とする。③住宅宿泊管理業と住宅宿泊仲介業は登録制として基本設計されている。旅館業法の許可制に変わる制度を設ける(住宅宿泊事業法は届出制)とともに、公衆衛生の確保や地域住民とのトラブル防止という観点から、住宅宿泊管理業と住宅宿泊仲介業を制度に位置づけ、住宅宿泊事業とともに、業務上のルールを定めています。又、住宅宿泊事業を、家主居住型と家主不在型に区別し、それぞれごとに住宅宿泊事業者・住宅宿泊管理者に措置の義務付けているところに特徴があります。●住宅宿泊事業者①都道府県知事への届出「住宅宿泊事業」とは、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人に宿泊させる日数として省令で定めるところにより算出した日数が、1年間で180日をこえないものをいいます。(法2条3項)「宿泊」戸は、旅館業法同様に、寝具を使用して施設を使用することをいいます。(法2条2項)住宅宿泊事業法では、都道府県知事(保健所設置市の場合にはその長)に、住宅宿泊事業を営む旨の届出を行えば、旅館業法上の許可を受けずに、住宅宿泊事業を営むことができるようになります。(法3条1項)住宅宿泊事業を営むことができる「住宅」とは、台所・浴室・便所・洗面施設等の設備が設けられている必要がある(法2条1項)ので、一般的にはテナントビルでの住宅宿泊事業は行うことはできません。「宿泊日数が180日を超えない」というところが住宅宿泊事業の軸になりますので、細心の注意を必要とします。又、住宅宿泊事業は、住居専用地域でも営業できるので、自治体は地域の実情を反映し、条例で区域を定めて実施期間を制限することも可能となっています。(法18条)②業務準則住宅宿泊事業者には、住宅宿泊事業の適正な遂行のために、業務上の措置等が義務付けられています。特に、家主居住型で宿泊者を受け入れる場合には、住宅宿泊事業者自らがさまざまな措置を講じなければ成りません。住宅宿泊事業者は、安全面・衛生面の確保のための措置、騒音防止のための説明、苦情の対応・宿泊者名簿の作成・設置・保管が必要です。又、標識の掲示等も必要となります。(法13条)③家主不在型家主が賃貸アパートの一室で住宅宿泊事業を行うような場合で、事業者自らが管理業務を行うことが難しい場合には、住宅宿泊管理業者に住宅宿泊管理事業を委託しなければなりません。(法11条)●住宅宿泊管理業者①登録委託を受け報酬を得て住宅宿泊管理業務を行う事業を「住宅宿泊管理業」といい(法2条6項)、住宅宿泊管理者を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。(法22条1項)家主不在型の住宅宿泊事業者は、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する義務があります。(法11条1項)住宅宿泊事業における管理不全が発生しないようにするために、住宅宿泊管理業者は住宅宿泊事業において時有用な役割を有する者として位置づけられています。②業務準則住宅宿泊管理業者には、家主居住型であれば住宅宿泊事業者自らが行う住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置の代行に係る義務と、住宅宿泊管理業の適正な遂行のための措置に係る義務(不実告知の禁止・書面による説明義務等、住宅宿泊管理業者を委託した住宅宿泊事業者を保護する観点から定められた住宅宿泊管理業者に課せられた義務)とが課せられます。●住宅宿泊仲介業者①登録インターネット等で宿泊者と住宅宿泊事業者との間の宿泊サービスの提供に関する契約の代理・媒介を行うことを「住宅宿泊仲介業者」といいます。旅行業者以外のものが、報酬を得て住宅宿泊仲介業務を行う事業を「住宅宿泊仲介業」といい、住宅宿泊仲介業者を営む者(住宅宿泊仲介業者)は、観光庁長官の登録を受けなければなりません。(法46条1項)住宅宿泊仲介業者は。ネットのサイトを使用して業務を行う事業者が想定されていますが、現実に店舗を構えて仲介業務を行うという業態も考えられています。 外国において住宅宿泊仲介業を営む者(外国住宅宿泊仲介業者)も登録が必要とされます。(法61条2項参照)②業務準則住宅宿泊仲介業者には、宿泊者の保護の観点から、住宅宿泊仲介業の適正な遂行のための措置(住宅宿泊仲介業務約款の届出義務・内容説明義務等)が義務付けられます。■住宅宿泊事業法のインパクト●住宅活用の選択肢が増える現在では、住宅の所有者が当該住宅から収益を上げる方法は、残念ながら売却か賃貸となります。住宅宿泊事業法が施行されれば、宿泊サービスの提供が売買・賃貸と並ぶメニューになります。交通の便が良くなく古い一軒家で、賃貸や売買では付加価値が難しい物件であっても、外国人旅行者が興味を示すストーリーや「日本らしさ」があるのであれば、宿泊サービスの提供という形を生み出すことが可能になるかもしれません。●住宅宿泊管理業という新ビジネス住宅宿泊管理業者は、法律により国土交通省に登録することが義務付けられることになります。賃貸マンションの所有者が、1等のうち半分を民泊(住宅宿泊事業)に使用とした場合には、賃貸管理業と住宅宿泊管理業を行うことができることは、大きなセールスポイントとなります。●マンション(区分所有建物)の管理規約万所名において、ここの区分所有者が住宅宿泊事業を営むことを認めるか否かは、管理組合にとっては重要な課題になります。民泊使用を認めない場合には、管理規約などの使用の用途を「住宅(居住用)」として限定し、民泊を認めないことを明確な規定とすることが重要となります。●Real Partner June 2017より抜粋
民泊制度ポータルサイト
http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/
Airbnb (エアービーアンドビー)
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民泊物件.com
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STAY JAPAN (ステイ ジャパン)
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